One Hot Minute
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/thumb/8/8a/Rhcp7.jpg/220px-Rhcp7.jpg
このアルバムではギターの John Frusciante がメンバーから抜け,代わりに Dave Navarro がリードギターを務めている.それゆえ,他の作品と違って独特な暗めのサウンドを耳にすることができる.強調された低音部,キツめの歪み,ワウやディレイのかけ方などに見出だせるだろう.ちなみに次作の Californication では John が戻ってくるので,レッチリで Dave Navarro のギターが聴けるのはこのアルバム限りである. 1曲めの Warped の邦題は「レッチリの電撃ワープ」なのだが,曲中には明らかに電撃要素がないので,絶対にジョジョ4部に出てくるレッド・ホット・チリ・ペッパーのスタンドを元に訳がつけられたと思っている. 大ヒットとなった前作の Blood Sugar Sex Magik と比べると,セールス的にはあまり奮わなかったらしいが,個人的にはレッチリのアルバムで一番好きなのは何を隠そうこの作品.高校生の頃,通学中に何度聴いたかわからない.全体的にサウンドの完成度が高いこともさることながら,トラック感の遷移がタイトで上手いのがこのアルバムの特徴として挙げられると思う. https://youtu.be/xmyuJZH3RAc
しっかりしたギターのリフの上に,ディレイのかかったヴォーカルが乗っていて,ワクワク感と浮遊感を同時に感じる verse から,chorus に入るとに Chad の強烈なドラミングが炸裂する.その後の間奏で披露される Dave Navarro のディレイとワウが効いたギターがこのアルバムを象徴していると言っても過言ではない.意外と曲の最後はメジャーコードに解決される.
https://youtu.be/vV8IAOojoAA
アルバム中では1曲目から続けて演奏される.verse は Flea のバキバキスラップと高音部のギターのカッティングが絡み合い,ある意味レッチリらしい.上の MV は地味に chorus の F word がカットされていたり (リズム感に関わる……),曲後半のソロが短かったりするので,アルバム・ヴァージョンを聴いた方がいいかも.特にベースソロはノリノリです.あとその後に来るギターソロのバッキングの硬めのカッティングも好き.
https://youtu.be/QwlwJFcNf3Q
レッチリというバンドの出会いを歌った曲らしい.静かに語りから始まるが,途中から爆発的に盛り上がる.こういうアコギのシャカシャカした抜けるようなカッティングも好きですね〜 この曲のギターソロも Dave Navarro 節前回の歪み+ワウが聴ける.曲後半はメイジャー・コードになって次のトラックに繋がる.次のイントロもアコギやしやっぱ上手いこと繋げるなぁ.
https://youtu.be/0kT5w27YxyI
いかにもレッチリのシングル曲といった感じ.最初からかっ飛ばしてきたところで一旦休憩って気持ちでいつも歌詞を口ずさみながら聴いている.リラックスしながらアウトロを聴いてたら次の曲のギターが聞こえてくるわけですよ……!!
https://youtu.be/WkkKStRwokQ
Em の典型的なバキバキスラップ曲.高校生の頃に部室でよくベースを練習していた.Dave Navarro の「暗い」ギターの音色はここでも聴くことができる.
https://youtu.be/SauftQfci28
世にも珍しい Flea のアコースティック・ベース弾き語り曲.箸休め的な.
https://youtu.be/p5_fDqqRCfM
なかなか騒がしい曲,と思いきや,途中でゆっくりになったり,また加速したり,このアルバムは緩急の付け方が激しい.前作 Blood Sugar Sex Magik との大きな違いはそこかもしれないなと思ったりする.Apache Rose Peacock のようなワン・コードで同じリズムを貫き通すような funkness ではなく,前に進む力というか,そういったものが強いところにロックみを感じる.途中スローになる部分で奏でられる引っ掻いたような音 (ギターなんか……??) は何気に聴かせどころ.最後は変拍子のフレーズのフェード・アウトで締められるが,またここも繋ぎがよい. https://youtu.be/SW4yvVhB1PE
レッチリ的には恐らくかなり変化球な曲.ヴォーカルは語りかけるような感じで,明確なメロディーラインがあるわけではない.chorus と呼べる箇所も特に無く,アンチポップな曲構成.Chad の落ち着いた正確なドラミング,Flea のパターン的なベースのフレーズ,Dave Navarro のチャカチャカワウギターに乗ってひたすら曲が進行していく.とにかくワウの開いたり閉じたりの感じが好きなリスナーにとってはたまらないこと請け合い.
https://youtu.be/Zo1r6wYC4nU
忙しくないバラード.この曲も歌詞を口ずさみながら箸休め的にゆったり聴いている気がする.
https://youtu.be/exbKsJVSifg
表題曲.高校の部活の同期が「タイトル曲やのに……」って言ってたのを思い出すけど,確かに曲単体で見るとあまり見所もないのかもしれないが,アルバムの世界観をよく表していると思う.
https://youtu.be/vDNA7OqaB48
ゲロゲロ〜って感じの曲.このドロドロ感とか,chorus のカサカサしたギターとかが,まさにこのアルバムの魅力かなと思います.ギター・ソロの煮え切らなさとかたまらん.
https://youtu.be/FfbKrphheQk
本アルバム最後にして最大の見せ場.たぶん曲全体のリズム感に浸りながら左右のギターを聴き比べるのがオススメ.
https://youtu.be/3f88BFdy-EE
最後ぐらい静かに終わるんか,という感じで始まるが,結局そんなことはない.このアルバムのテーマは,静と動とか,陰と陽とか,そういうものかもしれないなと思う.最後の最後までサウンドの完成度が高いし,終わり方が終わり方なので,聴き終わったあとには毎回大きな開放感と満足感が得られる.